赤ちゃんにとって、母乳はとても大切なものです。
生後間もない赤ちゃんも、生きていくために本能でおっぱいを探すといいます。
離乳食が始まるまでは、すべての栄養を母乳から得るわけですから、特に完母(完全母乳)のママは、しっかり母乳をケアし、質の良い母乳が出るように気を付けたいですよね。
私はよく周りに、「餅を食べると母乳が増えるよ」と言われていたのですが、調べてみると「餅を食べると母乳がつまる」「餅で乳腺炎になる」なんて説もあるそうです。
どっちが本当なのでしょうか?
気になります。
調べてみましょう!
母乳が出る仕組みとは?
妊娠中から、ママの体は母乳が出る準備を始めています。
産後、赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことで、「プロラクチン」というホルモンが分泌され、母乳をつくるように脳に指示を出し、「オキシトシン」というホルモンの働きにより、乳腺でつくられた母乳を乳頭へと押し出します。
そういえば、赤ちゃんの泣き声でおっぱいが張った経験、ありませんか?
中には、母乳がにじみ出てきた、という方もいるかもしれません。
これも、「オキシトシン」の働きによるもので、赤ちゃんの泣き声で聴覚が刺激されたり、赤ちゃんに対して深い愛情を感じた時に、このホルモンが分泌されやすい、といわれています。
母乳は血液でできているって本当?
そもそも、母乳は何でできているのでしょうか?
それは、血液です。
乳房の中の毛細血管に取り込まれた血液が、乳腺で乳汁へ作り変えられます。
この時に、血液中の栄養分や白血球は取り込まれますが、赤血球は取り込まれないため、母乳は赤くなりません。
つまり、母乳=血液ということは、ママが食べた物や飲んだ物の影響が出ると考えられるのは当然です。
餅を食べると本当に母乳がつまるのか?
たしかに、私も、お餅を食べて母乳が増えたと感じた経験があります。
お餅は炭水化物ですから、血糖値を高めます。
すると、お米に比べてお餅はカロリーが高いので、一度にたくさん濃い母乳が出てきて、詰まりやすくなる、ということです。
また、水分を取らずにいると、血液がドロドロになり血流が悪くなりますから、母乳もドロドロとしてつまりやすくなるのです。
母乳の量が少なくて悩んでいるには、お餅はもしかしたら救世主?になり得るかもしれませんが、母乳が順調に出始め、おっぱいが張りやすい時期は、お餅は控えた方が良いでしょう。
ただし、食べ物の質や量が母乳に影響するというはっきりとした根拠はなく、まだ調査段階のようですが、経験則として、良い食事が良い母乳をつくると言われているようです。
ではなぜ、「餅を食べると母乳の出が良くなるから食べなさい」と言われてきたのか?
それは、昔は貧しくて食べ物が乏しかったので、少しでも母乳の出をよくするために、高カロリーで栄養のあるお餅を食べたほうが良いと考えられていたからです。
餅の他に母乳がつまる食べ物は?
同様に、塩分や脂肪分も血液をドロドロにするといわれていますから、母乳もドロドロになり詰まりやすくなると考えられます。
乳腺炎予防のためにも、下記のような食べ物はできるだけ控えておくのが無難でしょう。
- コロッケやからあげ、天ぷらなどの揚げ物
- 脂身の多い肉類
- ケーキやチョコレートなど、甘いスイーツ
- 漬物
反対に、野菜や魚は母乳の質をよくすると考えられています。
助産師さんの話では、野菜をたくさん摂った母乳は、優しい甘みがあって赤ちゃんにとって非常においしい味になるそうです♪
まとめ
母乳が出る仕組みから、餅が母乳に与える影響までをみてきましたが、餅に限らず、どんな食べ物でも適量ある、ということです。
食べて母乳や赤ちゃんに変化がなければ問題ありませんし、母乳がドロドロして赤ちゃんの飲む量が減るようなら、食べるのをやめた方が良いでしょう。
赤ちゃんが生まれた時にしか出てこない母乳。
なんだかとても神秘的なことに感じられます。
無事に出産を終え、安堵感と幸福感に浸る間もなく、赤ちゃんのお世話が始まり、分からないことだらけの育児は毎日が戦争で、不安やストレスを感じることもあるでしょう。
ですが、不安やストレスは母乳づくりの妨げになりかねません。
辛い時はひとりで抱え込まず、家族や友人、地域の支援センターなどに相談しましょう。
ママを必要として生まれてきてくれた我が子のために、質の良い美味しい母乳を飲ませてあげたいですね。