ビタミンCを壊すってホント?きゅうりにまつわる噂のあれこれ
夏祭り、きゅうりの一本漬けを食べていたら、
「きゅうりってさ、なんかビタミンCを壊しちゃうらしいよ」
なんて友だちから横やりがはいって、口をあんぐり。
でも、たしかに栄養価がないってギネスブックにのったって聞いたことある。
からだを冷やすっていうのもよく聞くし…
それならむくみの原因にもなるの?
きゅうりって実は健康に悪かったりして。
食べるの控えようかな、なんて。
なんだか不安になってきますよね。
そんな方必見です。
きゅうりにまつわる噂のあれこれをご紹介していきます!
きゅうりの栄養価について
「世界でいちばん栄養のない野菜」
ギネス世界記録にのったなんて話、聞いたことありませんか?
水分多いしありえる…と思わせてしまいますが、実は少し違います。
きゅうりが世界一としてギネスブックにのっているのは、「Least calorific fruit」つまり「最もカロリーが低い果物」としてなのです。
伝言ゲームみたいにカロリーから栄養にずれていってしまったみたいですね。
きゅうりに含まれる栄養素としては水分が95%以上を占めていますが、カリウムやビタミンAを豊富に含みます。
また、ビタミンC、Kなどのほか、亜鉛やマグネシウムといったミネラルも少しずつ入っています。栄養価が高くないのはホントですが。
きゅうりはビタミンCを壊すのはホント?
「きゅうり食べるとビタミンC壊れるらしいよー」
これもどこかで見たり聞いたりしたことがある人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ノーです。
にんじんやきゅうり、かぼちゃなどにはアスコルビナーゼ(ビタミンC酸化酵素)が含まれています。
ただ、アスコルビナーゼは還元型ビタミンCを酸化型ビタミンCに変えるという作用はあっても、破壊はしません。還元型ビタミンCと酸化型ビタミンCの総量をビタミンCと呼ぶので、結局は変わっていないのです。
ビタミンCを破壊はしませんが、アスコルビナーゼの酸化作用はかなり強いみたい。
きゅうりの輪切り3枚でトマト1コぶんを酸化できるらしいです。
すごい。
この酵素は、すりおろしたりジューサーにかけたりすると活発になり、熱を加えたり酸の多い食材と一緒に摂ることで弱まります。
ただ、毎日の食事できゅうりだけを食べているわけではないし、体内に入る還元型ビタミンCと酸化型ビタミンCは酸化還元反応を起こして逆の還元反応もあります。
つまり相殺されるわけですが、むしろ体内では還元型として存在するほうが多いので、あまり心配する必要はありません。
きゅうりは体を冷やすのはホント?
夏の暑い日、きゅうりをボリボリかじっていたら「おなか冷やすよ」なんて言われたことありませんか?
実は中国の漢方では、きゅうりの性は「涼」
涼性というのは、からだを冷やす働きがあるということです。
また、カリウムやミネラルを含んでいるので、利尿作用によってからだの老廃物や余分な水分を排出することができます。
つまり、もともとおなかがユルい人にとっては、おなかを下す原因にもなるといえます。
からだを冷やすというのは本当ですが、ほてった熱を鎮静化し、浄化してくれると解釈してみてはどうでしょうか。
きゅうりパックというものがありますが、ひんやりとして涼やかですし、デトックスもしてくれますよね。
からだを冷やしたいときや便秘のときに食べ、日焼けをしたときには輪切りにして顔にのせる。きゅうりにはきゅうりに適した活用法がまだまだありそうです。
まとめ きゅうりと上手に付き合おう
栄養のない野菜、なんて見下されがちなきゅうりですが、誤解があったり、隠れたいいところがあったり、きゅうりをちょっと見直すきっかけになればいいなあと思います。
きゅうりはかなりの部分が水分なので、「あの歯切れのいい食感が好きで食べてるんだ!」と開きなおるくらいでもいいんじゃないか、とも思っています。
きゅうりのアスコルビナーゼが気になる方は、梅干しと組み合わせると、おいしいし酸化も抑えられるしおすすめです。
何事もほどほどがいちばんなので、あまり目くじらを立てずにきゅうりを生活の中にうまく取り入れてみてくださいね。