サラダや漬物、酢の物などに欠かせない「きゅうり」。
そのみずみずしさからもわかるように、ほとんどが水分で、栄養は少ないのですが、歯切れがよく、暑い時期にさっぱりと食べられるので、夏バテ予防などにピッタリの野菜です。
育てやすく、生育スピードが速い(収穫まで約70日)ので、家庭菜園初心者に人気の野菜の一つです。
ですが、実際に育ててみると、曲がったキュウリができたり、中が空洞のものや尻細りのものなどができたりして、悩む人が多いようです。
では、なぜ、スーパーで売られているような“真っすぐキュウリ”にならなかったのか?
その原因と対策を考えていきましょう。
きゅうりが曲がる原因
物理的な影響もありますが、大抵の場合は、生理障害によるものです、
「生理障害」とは、水分の過不足、栄養の過不足、低温度または高温度などによる障害のことです。
きゅうりを輪切りにして断面を見てみると、組織が三分割されているのがわかります。生理障害によって、この分割された部分の成長速度に差が出ると、曲がったキュウリなど、奇形果が増えます。
- 水分の過不足
キュウリはおよそ96%が水分で、土壌水分はキュウリが大きく成長するために重要な役割を果たしていますので、果実の肥大期に水分不足になると、生育が悪くなります。
キュウリが曲がる一番の要因は、この「水分不足」です。
中の果肉が空洞の場合なども、この「水分不足」が原因です。
反対に、水の与え過ぎもよくありません。
風通しの悪い場所や日当たりの良くない場所で、水を与えすぎると、過湿により根が腐ったり、病気になったりすることがあります。
- 栄養の過不足(肥料の過不足)
栄養が少ない場合には、当然、成長がわるくなりますし、一度実がなり出したら、収穫が続く間は、2週間に一回は“追肥”をする必要があります。
また、栄養が多すぎる場合にも、葉や茎が軟弱になり、キュウリが育たなかったり、病害虫の心配が出てきたりします。
- 高温、または低温
野菜にはそれぞれ、生育するのに適する温度があります。
温度が低すぎても高すぎても野菜の成長に害を与えます。
- 日照不足
肥料や水を与えても、日当たりが悪ければ光合成しませんから、光合成によって得られるはずの栄養素が足りず、生育にも影響を及ぼします。
- 株の老化
株の老化により根の活性が落ちると、奇形果が増えます。
その他、摘葉のしすぎや受粉障害などが考えられ、これらにより、先細りやや曲がり果などの奇形果が増えるようです。
曲がったキュウリと真っすぐなキュウリ、味の違いは?
見た目が違うのはもちろんですが、味に差はあるのでしょうか?
食べ比べてみると・・・全然違います!
真っすぐなキュウリの方が、キュウリ本来の香りが強く、味も濃く感じられました!!
私がキュウリ好きということもありますが、まっすぐな方が断然おいしい♪
曲がっていても食べられますが、できれば真っすぐ美味しいきゅうりを作りたいですよね。
では、どうすれば真っすぐなキュウリに育つのでしょうか?
真っすぐなきゅうりを栽培する方法
結論から言うと、生育条件が全て整っていれば、“真っすぐキュウリ”はできます。
栽培が簡単だとは言っても、放置して育つわけではありません。
日当たりと風通しが良く、温かい場所で、しっかり水と肥料を与えて、害虫に気を付けながら大切にお世話しましょう。
また、キュウリは未熟果を食すもので、開花後7日~10日が収穫の目安ですが、収穫せず株につけたまま放置していると、あっという間に大きくなってしまいます。
収穫が遅れて果実が大きくなると、他のキュウリに栄養が行き渡らなくなり、奇形果につながるため、こまめに収穫することが大切です。
まとめ
- キュウリが曲がる主因は、「乾燥」つまり「水分不足」。
- 生育条件が完璧であれば、自然と真っすぐなキュウリができる。
スーパーに並んでいるキュウリは、収穫したキュウリの中からまっすぐなものを選んでいて、プロでも曲がったキュウリができるそうです。
多少は味に差が出ますが、曲がったキュウリも家庭菜園ならではと思い、その「愛らしさ」を楽しんではいかがでしょうか?