小さくて可愛らしい黄色のお花を咲かせ、そして花が散るとふぅーっと息を吹いて友達とよく遊んだタンポポ。
小学生のころ、春に咲く代表的なお花としてあなたも教えてもらったことでしょう。
ところがいま、ぽつぽつと、春以外に咲いているタンポポを見かけるようになってきています。
当たり前のように春のお花とされてきたタンポポは、実際どんなお花で、本当はいつ頃咲くお花なのか、調べてみたいと思います。
たんぽぽってどんな植物?花が咲く時期はいつ?
タンポポはキク科の、二年以上にわたって生育する多年生の植物です。
多年生ということからもわかるように、ほかの植物が育たないような厳しい環境下でも生えることできる生命力の強い植物で、よくアスファルトの裂目から生えているのを見かけたりもします。
でも、秋とか、春以外の季節にたんぽぽが咲くことも
そうなんです。
実は近年見かける上記に書いたようなタンポポの殆どが「セイヨウタンポポ」と呼ばれる、外来種のものなんです。
実は日本にあるタンポポの8割がこの、セイヨウタンポポか在来種との雑種なんだそうです。
びっくりですよね。
そして、在来種のタンポポは春にしか発芽・開花せず、セイヨウタンポポは年中、発芽・開花ができます。
ちょこちょこ、いろんな時期に見ていたタンポポはセイヨウタンポポだったのですね。
セイヨウタンポポはどうやって日本に入ってきた??
セイヨウタンポポの原産地はヨーロッパ。
葉はサラダとして、芽はタンポポコーヒーとして飲まれていました。
そのように食されていたタンポポですが、日本へは明治時代初期、札幌農学校の教師をしていたアメリカ人が、野菜用として持ち込んだ物が野生化したためといわれているようです。
在来種のタンポポ(ニホンタンポポ)とセイヨウタンポポは具体的にどう違うの?
たんぽぽが咲く時期の違い
セイヨウタンポポは一年中どこでも発芽し、開花します。
それに対してニホンタンポポは春にしか発芽・開花しません。
たんぽぽが生えている場所の違い
都市や住宅地などで見かけるのはセイヨウタンポポ。
悪い環境下でも育つのが特徴です。「アボミクシス」という受粉をしなくても自ら種子を作り出せるので、周りに昆虫がいない環境でもどんどん繁殖のできる種類です。
また種子の数もニホンタンポポの2倍、軽くて飛びやすいこともあり、風に乗っていろいろなところへ運ばれて広い範囲に繁殖したと思われます。
それに対して自然豊かで緑の多い環境でしか育たないのがニホンタンポポです。
今では山に行ったりしないとお目にかかれないかなり希少なタンポポです。
ニホンタンポポは自分以外の株の花粉を受粉しないと繁殖できず、また、種子の量も少なく、一つ一つが重たいので、あまり繁殖の規模を広げることができなかったのです。
たんぽぽの花の見た目の違い
セイヨウタンポポは春になると地べたに這うように花を咲かせ、背が低く、花びらは外側がぐーっと反り返る感じです。
葉っぱは地面に近い位置にあるため、よく泥などがかぶっています。
それに対し、在来種のタンポポはセイヨウタンポポに比べて花は大きく、茎も地面から長く伸びてかなり立派なのが特徴です。
花弁は反り返らずに上に向かって堂々と広がります。
葉っぱも大きく、泥がかぶってしまう感じのセイヨウタンポポと比べるととてもつやがあって、だれが見ても立派なタンポポだと思えるタンポポです。
まとめ
私たちが幼いころに習った、タンポポ。
春に咲くお花の中でもアイドル級に子供たちに大人気のお花です。
タンポポは春のお花じゃないのかー、もういつでも見れる、希少価値の低いお花なんだ、もう春の季語なんじゃないんだと思わずに、逆に春に山や、自然のたくさんのところに元祖の綺麗な、力強い二ホンタンポポを見つけに行くのも素敵かもしれません。
見つけられたら何かいいことが起こるかもしれませんね!