アジの内臓は食べない?内臓を食べる魚との違いは?
季節を問わず漁獲されるアジ。
旬は5月~7月で、この時期のアジは脂ののりが良く、焼くと身がふっくらしていて美味しいです。
さて、あなたはアジの内臓を取り除いていますか?
新鮮な鮎やサンマなどは、塩焼きにする場合、内臓をそのまま残して焼くことがありますが、アジの内臓を食べている人を見たことがありません。
アジの内臓は食べてはいけないの?
内臓を食べても良い魚とそうでない魚の違いは何?
気になりますね。
内臓を食べても良い魚とそうでない魚
内臓には独特の生臭さと苦みがありますが、これが良い!と言って食べる人もいます。
アジなども内臓に毒があるわけではないので、絶対に食べられないわけではありませんが、基本的には、生臭くて食べられたものではありませんし、アジは傷みが早く(足が早く)、傷むのは内臓からなので、やめた方が良いでしょう。
また、内臓には腸があり、中にはアジが食べた内容物が入っています。
何が入っているかわかりませんから、取り除いた方が無難です。
では、どうして鮎やサンマは内臓をそのまま食べても平気なのでしょうか?
鮎は、岩などに生えた苔をエサにしていますが、この苔は、食べても人体に害がなく、一時間ほどで消化してしまいます。
また、サンマなどは胃のない魚で、食べたものがすぐに腸で消化されます。
日中に採食し、夜には内容物が排出されるため、夜間に漁獲されるサンマの内臓はそのまま食べることができる、と考えられます。
つまり、内臓を食べるかどうかは、胃の有無と内容物によって異なるわけです。
アジの寄生虫に注意が必要
アジには、『アニサキス』という寄生虫がつくことがあります。
アニサキスはイカなどについているイメージがありますが、実は、アジから見つかることもあるようです。(あまり多くはありませんが・・)
アニサキスは、半透明で体長は約2cm~3cmくらいのミミズのような形状で、誤って生きたまま体内に入ると、胃や腸壁に侵入して暴れ回るため、激痛が走ります。
アニサキスは内臓に寄生していますので、やはり、内臓は取り除いておいた方が安心です。
ただし、アニサキスは、寄生した魚が死んだら内臓から筋肉へと移動します。
移動すると見つけにくくなりますから、新鮮なうちに(生きているうちに)内臓を取り除くようにしましょう。
余ったアジの保存方法は?
アジは足がはやいと言われる青魚ですが、一度に食べきれないときは、きちんと下処理してから保存しましょう。
傷むのはまず内臓からなので、少しでも新鮮な状態を長く保ちたい場合は、すぐに内臓を取り除きましょう。
内臓が傷んでしまうと、周囲にも腐敗が広がってしまいます。
<冷蔵保存の場合>
まず、内臓を取り除き、血合いを指でこすって流水で洗います。キレイにすることで、臭みを取ることができます。
さらに、頭を切り落とし、流水で洗ったら、水気をしっかりと拭き取ります。
一尾ずつラップで包んでから密閉袋に入れ、チルド室に入れておけば、2日間保存可能です。
<冷凍保存の場合>
冷蔵保存の場合と同様に、下処理をしてから一尾ずつラップで包んで密閉袋に入れ、冷凍します。
食べる際には、冷蔵庫に移して自然解凍させるか、氷水で急速解凍、または、凍ったまま調理します。
冷凍した場合は、保存期間は3週間です。
密閉袋に入れるのに、一尾ずつラップで包むの?
という疑問の声があがりそうですが、この“二重の密閉”が重要です!
乾燥や酸化を防ぎ、より鮮度を保つことができますし、庫内の他の食品へのにおい移りを防ぐことができます。
さらに、調理する際に、使いたい数だけ取り出しやすいので、ラップで包んでおくと便利です。
ゼイゴ(尾の付け根近くにある固いうろこ)は取らなくても大丈夫ですが、気になる方は、下処理段階で取っておくと良いでしょう。
まとめ
- アジの内臓は、基本的には食べない。
- アジは傷みやすく、まず内臓から傷むので、鮮度を保つためにも早めに内臓を取り除いた方が良い。
- 内臓には寄生虫がつくことがあるので、新鮮な(生きている)うちに内臓を取り除く。
- 新鮮なうちに下処理したアジは、冷蔵で2日、冷凍で3週間保存が可能。