ヘルパンギーナって?
聞きなれない人、子どもがかかって初めて知った、という人もいると思いますが、手足口病やプール熱と並び、子どもがかかりやすい夏風邪のひとつです。
普通の風邪とは症状が異なり、かかると結構厄介な病気です。
うちの子は1歳半で手足口病、3歳でヘルパンギーナにかかりましが、どちらも発熱後に水泡ができたので、熱が出始めた段階では、ただの風邪なのか?手足口病なのか?ヘルパンギーナなのか?判断できず、何度も病院に連れて行きました。
特に小さいお子さんがいらっしゃるお母さんは、子どもが熱で苦しんだり痛がったりしていると慌ててしまいがちですが、落ち着いて介抱できるよう、きちんと病気を知っておく必要があります。
ヘルパンギーナとは?
ヘルパンギーナとは、夏季に流行する小児の急性ウイルス性咽頭炎のことで、エンテロウイルスというウイルスの一種であるコクサッキーウイルスA群によって発症します。
別の型のウイルスによって感染することもあり、何度もかかりうる病気です。
ヘルパンギーナの主な症状
2~4日の潜伏期を経て突然発熱し、39度前後の高い熱が出ます。(1〜3日ほど続く)
咽頭痛もあり、徐々に咽頭に赤い発疹ができ、口内には水疱が現れます。
この水疱が2〜3日でつぶれて潰瘍になると、痛みを伴い、食事にも影響が出たり、不機嫌になったりします。
ヘルパンギーナによる合併症
稀ですが、無菌性髄膜炎・脳炎、急性心筋炎などの合併症を引き起こすことがあります。
嘔吐や意識障害、けいれん、動悸や胸の痛みなどの症状がみられる場合には、すぐに医療機関を受診するようにしましょう!
もちろん、上記のような症状がなくても、不安があればかかりつけの小児科へ行くと良いと思います。
「数日で良くなるって本には書いてあるけど・・」「これ位で受診しても良いのかな」となかなか病院に連れて行かない方もいると思いますが、子どもを心配するのは当然ですし、ましてや初めての高熱、初めての病気であれば、1人で抱え込まずに相談すべきでしょう。
手足口病、ヘルペス性歯肉口内炎との違い
手足口病はその字の通り、口内や手足に水疱ができる夏のウイルス性疾患で、発熱することもあり、似ている病気ですが、ヘルパンギーナは手足に水疱ができませんから、ここが大きな違いです。
また、ヘルペス性歯肉口内炎は、発熱とともに口内炎が沢山できるので、発熱の段階では区別がつきにくい病気ですが、歯茎が赤く腫れ上がり、熱が3日以上続く場合はヘルペス性歯肉口内炎の可能性が高いので、再度、医療機関を受診しましょう。
ヘルパンギーナは人に移る病気?
感染拡大、特に兄弟姉妹への二次感染を防ぐためにも、どうやってヘルパンギーナに感染するのか、感染経路を知っておきましょう。
ヘルパンギーナの感染経路は?
- 飛沫感染
口腔内にできた水疱がつぶれ、くしゃみや咳と一緒に空気中に飛び出します。飛び出したウイルスを吸い込むことにより感染します。
子どもが小さいとマスクを嫌がってしてくれないことが多いですから、周りの家族がマスクを着用するようにしましょう!
- 接触感染
ウイルスは便と一緒に排出されるので、トイレやおむつ替えの後の手洗いが不十分な場合、その手で目や鼻、口などに触れることで粘膜から体内にウイルスが入り、感染します。
また、ウイルスが付着した手でドアノブやスイッチなどに触れ、その部分に他人の手が触れることでウイルスが付着し、感染が拡大することがあります。
更には、小さい子どもがかかりやすい病気ですから、唾液や鼻水が付着したおもちゃの貸し借りなども感染の原因になります。
感染者も家族も「手洗いうがい」を徹底しましょう!
- 経口感染
上記の方法で排出されたウイルスが食べ物や飲み物に入り、それらを口にすることでウイルスが体内に入り、感染します。
兄弟と別の場所で食事をとるなどの工夫が必要です。
ヘルパンギーナはいつから保育園(幼稚園)に行ける?
ヘルパンギーナは、インフルエンザのように出席停止扱いの疾患ではありません。
熱が下がり、全身状態が安定すれば登園可能ですが、感染拡大を防ぐためにも、しばらくは休ませたり、登園の際には、マスクを着用してしっかり手洗いするように指導しましょう。
熱で体がだるくて寝付けない・食欲がない時は?
ヘルパンギーナの治療法
特に特効薬がないため、水分をしっかりとって体をゆっくり休めるしかありません。
ウイルス性なので抗生剤(細菌に効く)は効きませんから、熱が出て、「風邪かな?」と抗生剤処方されて飲んでいたけど一向に回復しない、ということもあります。
水疱ができるまでは、お医者さんでも判断が難しいので、こういったケースもよくあります。
抗生剤は効きませんが、水疱がつぶれて痛い時には鎮痛剤を投与してもらうこともできます。
また、熱で体がだるくて寝つけない時には、足、特にふくらはぎを優しくさすってあげると気持ちよく眠りにつけるのでおすすめです。
注意すべきこと
- 家族への二次感染
体調が回復しても、口から1〜2週間、便から2〜4週間ウイルスが排出されるので、兄弟姉妹に限らず、家族に感染しないよう、手洗いうがいはもちろん、マスク着用やタオルを使いまわさない、などの注意が必要です。
オムツをしているお子さんの場合は、オムツ替えの時の感染を防ぐため、ビニール手袋を着用することをおすすめします。
これは、保育園でも感染症予防のために、排便時のおむつ交換は手袋着用を勧めている園が多いです。
ヘルパンギーナは、基本的には子どもの風邪で大人はあまり感染しませんが、疲労で免疫力が低下している時などには大人(主に母親)でも感染することがあります。
実は私も、手足口病とヘルパンギーナどちらも子どもからうつされました^^;
ヘルパンギーナの時は、水疱はあまりできませんでしたが、とにかく喉が痛いのと高熱が続き、何度か点滴しました。
- 脱水症状
口腔内の痛みから、食べ物だけでなく飲み物を飲むのも辛くなり、脱水症状になることがあります。
少しずつでも水分補給させるようにし、汗やおしっこが出ない、唇が乾燥する、手足が痺れるなどの症状がみられるときには、早めに病院へ連れて行きましょう!
また、ヘルパンギーナは夏の病気ですから、水分不足による熱中症にも注意が必要です。
刺激の少ない食べ物
少しでも食事を取れるように、噛まずに飲み込める食べ物や刺激の少ない食べ物を与えましょう。
例えば、お粥や柔らかく煮たうどん(お汁は冷〜ぬるめで)、ゼリーやプリン、スープがおすすめです。
うちの子は食べるのが大好きでしたが、やはり何も食べられなくなり「なんとかして少しでも栄養を」と思い、大好きなスープを手作りしました。
かぼちゃやサツマイモのポタージュを玉ねぎなどで栄養と甘みをプラスして作ったり、市販のコーンスープには茹でた玉ねぎやブロッコリーをフードプロセッサーでペースト状にして混ぜたりしました。
ただし、ママが頑張りすぎて疲れてヘルパンギーナになっては意味がないんです・・。
2、3日食べれなくても、いずれ食欲は戻りますから、とにかく水分補給をしっかりして、ママも寝られる時は一緒にゆっくり休むのが1番だと思います。
おわりに
ヘルパンギーナにかかったら、上手にクーラーや扇風機を使い、快適な部屋でしっかり水分を摂りながら休息をとれば、1週間程度で症状は落ち着きます。
ですが、熱があってもずっと安静にしていられないのが子どもです。
ぬりえやシールブックなど室内で静かに遊べるニューアイテムを用意しておくと良いかもしれませんね。