子ども同士の自転車事故|事故被害者とその家族への謝罪について
お子さんが自転車に乗るときに、毎回注意を促していますか?
上手に乗れるようになったし、いつも乗っているから大丈夫、と思っていませんか?
いつ起きるかわからない事故。
注意していても、一瞬の気のゆるみが事故につながります。
歩行者はもちろん、乗り物に乗る際には特に注意が必要です。
万が一、子どもが事故加害者になってしまったら、親はどうすれば良いでしょうか?
被害者にどのように謝罪すればよいのでしょうか?
どうすれば誠意が伝わるのか?
正しい謝罪方法があるのか?
保険会社などへの連絡は?
今回は、小学生の息子(娘)が自転車を運転中に、同じ小学校に通うお友達の乗る自転車と衝突し、相手の子にケガ(打撲)をさせてしまった、という設定で謝罪の仕方をお話ししたいと思います。
子供が怪我をさせた時の親の責任について
子どもが成人していれば、子どもが起こした事故の責任を親が負うことはありませんが、小学生の子どもに責任を問うのは難しく、監督者である親が責任を負うのは当然です。
ほぼ例外なく、親が賠償責任を負うことになるでしょう。
子供から事故の連絡を受けたら親はまず何をすべきか?
事故発生時に加害者が行うべき措置については、道路交通法により義務付けられています。
道路交通法(72条1項)には、
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
とされており、
- 事故が起きたら直ちに運転を停止し、被害状況を確認する。
↓
- 負傷者の救護をする。
↓
- 道路上の危険を除去する。(二次被害を防ぐ)
↓
- 警察への通報・事故の状況説明
↓
- 保険会社への通知
という流れになります。
顔見知りだからといって、くれぐれも当人同士で示談交渉せず、警察への通報、保険会社への通知を行なってください。
「保険会社への通知」とは言っても、まだまだ自転車保険に加入していない人が多いのが現状ですが、実は、約5分に1件、自転車事故が発生しているそうです。
そのため、被害者保護と加害者の経済的負担の軽減のために、自転車保険を加入義務化する自治体が増えています。
保険に加入していない場合、当事者(その親)同士で示談交渉することになります。親同士仲が良かったり、子どものケガが軽い場合は、謝罪や治療費のみで済むこともありますが、高額な損害賠償請求をされるなどトラブルに発展することもあります。
自転車保険に加入している場合は、保険会社への通知を怠ると保険金が支払われないことがあるので、契約している保険会社の対応窓口、または、取扱い代理店にすみやかに連絡しましょう。
その際、被害者の氏名、住所、連絡先を伝えます。
また、被害者側にも過失がある場合は、損害賠償を請求することもあるので、被害者の加入している保険会社も確認しておきましょう。
被害者に過失があるかどうかの判断材料として、事故の詳細をメモや写真に撮っておいたり、目撃者の話を聞き、連絡先を聞いておくと良いでしょう。
子供が怪我をさせた相手に謝罪に行く時の注意点
相手にケガをさせてしまった場合は、すみやかにお見舞い、謝罪に行くべきです。
時間が経てば経つほど、相手の憤りが増し、こちらの誠意も伝わりにくくなります。
まず、自分が加入している保険会社の担当者に、謝罪・お見舞いに行きたい旨を伝え、相談しておくと良いでしょう。
今回のケースでは、被害者は『打撲』と比較的軽いケガのため、入院や手術はありませんので、当日または翌朝には謝罪に行きましょう。
謝罪・お見舞いは「申し訳ない」気持ちを伝えるためにするもので、お金の話をするための場ではありませんが、保険に加入していない場合は、ケガの程度を確認し、治療費と負担できる金額について落ち着いて話をしましょう。
謝罪の勢いで「治療費全額負担します」などと言って、過剰な賠償責任を負わされることもありますので、冷静に話をしましょう。くれぐれも、その場で現金を渡すことの無いように気を付けましょう。
保険に加入していれば、示談代理交渉する保険担当者がいますので、示談交渉に関しては保険会社に任せた方が良いでしょう。
被害者に誠意が伝わる菓子折りの渡し方
示談交渉が成立した後、受け取ってくれそうなら、菓子折りを渡します。(のし不要)
お宅に伺って、いきなり菓子折りを渡すと、「これで済ませる気?」と思われる可能性もありますし、謝罪の気持ちをきちんと伝えて示談が成立した後に、さらに菓子折りで“追謝罪”した方がより誠意が伝わると思います。
交渉がうまくいかなかった場合は、菓子折りを渡すのは控えましょう。「もらったお菓子を食べて体調を崩した」と言いがかりをつけられたら大変です。
もしお詫びの品を断られたら・・・
もし、菓子折りを持参して、受け取り拒否された場合についてですが、これにも2通りの場合があります。
例えば、「子ども同士のことだし、ケガも軽いから気にしないで」などと言って断られた場合は問題ありませんが、被害者側の親が怒っていて、示談交渉がうまくいかずに受け取りを拒否された場合、菓子折りをどうするかの判断は難しいです。
この場合は、事故直後で冷静さを欠いているという可能性もありますので、深く謝罪し、一旦菓子折りは持ち帰った方が良いかもしれません。後日(あまり日を置かずに)、謝罪の手紙と菓子折りを持って改めて謝罪に伺いましょう。
まとめ いつでも加害者になりうるということ
日々、知らない場所で事故は起きています。
事故によって、軽いケガを負う人もいれば、亡くなる人もいます。
そして、自分の子が加害者になることもあります・・・。
それは、ちょっとした気のゆるみで、誰かの大切なものを奪ってしまうということ。
そして、子どもの心にも傷を残すということ。
もちろん、裏を返せば、いつでも被害者になりうるということですが・・。
もう一度ルールを確認し、安全に楽しく自転車に乗りましょう!