「歯」は、食べ物を食べるためだけでなく、しっかり発音して会話をスムーズにしたり、顔の輪郭や美しい表情をつくったりと、重要な役割を果たしています。
赤ちゃんの歯が生え始めると、嬉しい反面、「歯みがきを始めなきゃ」と少し憂鬱だったりもしますが、お子さんが虫歯になって痛がる姿は見たくありませんよね。
お子さんの歯の基礎をつくり、歯みがきの大切さを教えるのはママの役目です。
その大切な歯を守るために「歯みがき」は欠かせませんが、赤ちゃんが泣いて暴れて磨けなかったとか、仕方なく押さえつけて磨いた、という話をよく耳にします。
赤ちゃんはじっとしていられないし、「歯みがきは大切よ」なんて言ってなかなか伝わりませんから。
赤ちゃんの歯みがきでお悩みのママはとても多いようです。
できることなら、赤ちゃんには自分から口を開けて歯みがきさせてほしいですよね。
ここでは、赤ちゃんの歯を守るためのポイントと、歯みがきを嫌がる赤ちゃんへの対策についてまとめてみたいと思います。
赤ちゃんの歯みがきを始めるタイミング
歯が一本でも生え始めたら、歯みがきの準備を始めましょう。
いきなり歯ブラシで歯を磨こうとすると、歯茎にブラシがあたり、少し痛みを感じて、歯みがきを嫌がるようになるかもしれません。
最初は、湿らせた清潔なガーゼで拭き取ったり、歯みがき用のガーゼを使用したりしましょう。
「ガーゼでは歯と歯の間の汚れは落ちないよ!」という意見はごもっともですが、無理に歯ブラシを使って、歯みがきに対してマイナスのイメージを持ってしまうと、歯みがき嫌いになりかねません。
口の中に指やガーゼを入れられることに慣れたら、歯ブラシによる歯みがきをスタートすれば良いと思います。
「永久歯に生え代わるから、乳歯が虫歯になっても平気」と思っている方もいますが、実は、平気じゃないんです!
乳歯が虫歯になると、痛いだけではなく、永久歯に下記のような影響を与える可能性があります。
- 一度、歯に虫歯菌がつくと、永久歯も虫歯になりやすくなる。
- 虫歯になった乳歯を抜くことで、隣の歯が傾いたり、永久歯が曲がって生えたりして、歯並びが悪くなる。
- 歯が痛くなったり、虫歯を抜いたりすると、噛む力に影響してあごの発達の妨げになる。
私は、「乳歯=赤ちゃんの歯」「永久歯=大人の歯」と言われるように、乳歯が永久歯に生え代わるということは、赤ちゃんが大人になることだと考えています。
赤ちゃんのうちにたっぷりと愛情を受けてきた子が、一人でしっかり立つ大人へと成長していくように、乳歯も虫歯にならないようにきちんとケアすれば、まっすぐキレイな永久歯になると思います。
歯ブラシ選びとみがき方のポイント
乳歯が生え揃うまでは、月齢に合わせたベビー用の歯ブラシと仕上げ磨き用歯ブラシの2本を用意しましょう。
ベビー用の歯ブラシは、シリコンのものや毛が柔らかい赤ちゃん専用の歯ブラシがありますから、それを使うのがオススメです。
グリップに滑り止めやストッパー付いていたり、動きに合わせて曲がったりするものが多く、安心して持たせることができます。
また、仕上げ磨き用歯ブラシは、下記のような歯ブラシを選ぶと良いでしょう。
- 赤ちゃんの小さな口に合わせて、ヘッドが小さいもの
- 歯や歯茎を傷つけないように、毛が柔らかいもの。
- 奥歯までしっかり磨けるように、柄の長く握りやすいもの。
子どもが自分で歯みがきしただけでは、汚れを全部落とすことは難しいので、きちんとママがチェックし、仕上げ磨きをしてあげましょう。
うちの子が行っている歯医者さんでは、「中学生になるまでは親が仕上げ磨きした方が良い」と言われますが、さすがに小学校高学年にもなると、ママに磨かれるのは恥ずかしい、という子も出てきますよね。
可能な限り、手伝ってあげればよいでしょう。
磨き方ですが、歯ブラシをえんぴつを持つように握り、小刻みに、一本ずつ磨くように心がけると、歯と歯のすき間や歯と歯茎の間の汚れも落としやすいです。
歯の表面は優しく、前歯のすき間などはブラシの後端を使い、少し力を入れるとよく汚れが落ちるようです。
唇に当たると痛いので、指でしっかり押さえてブラシが当たらないようにしましょう。
歯間ブラシを使うのもオススメです。
歯が生え始めた頃の赤ちゃんは、何でも口に入れたがるので、ベビー用歯ブラシを与えると喜ぶと思いますが、歯ブラシをくわえたまま歩いて転倒し、喉に突き刺さってしまうという恐ろしい事故も起きていますので、歯ブラシを持たせたら目を離さないようにしましょう。
歯みがきを嫌がる赤ちゃんへの対策
さて、歯みがきの仕方がわかっても、赤ちゃんが嫌がって歯を磨かせてくれないのでは困ります。
どうして嫌がるのでしょうか?
それは、痛いからかもしれませんし、眠いからかもしれません。
「ちゃんと磨かせて!」とママの表情が恐かったから、とも考えられます。
何か良い方法はないでしょうか?
ママたちは色々な策を講じていると思いますが、私の経験も踏まえて、いくつか例を挙げておきます。
- 歯みがきをしている時だけ、子どもの好きな歌をうたうようにする。
- 子どもの隣に、お気に入りのぬいぐるみや人形を置き、一緒に歯みがきをしてあげる。
- 好きなキャラクターの歯ブラシや好きな味の歯みがき粉を使う。
- 虫歯菌に名前を付けて、「○○をやっつけよう!」と誘う。
- 「歯みがきが終わったら○○しよう!」と、後の楽しみを言って、早く歯みがきを終わらせたいと思わせる。
- 就寝前の歯みがきが上手にできたら、普段より一冊多く絵本を読んであげる。
など、効き目は試してみないとわかりませんが、ママが笑顔で「歯みがきは楽しい時間だよ」と伝えてあげれば、きっと赤ちゃんも喜んで歯みがきさせてくれるでしょう。
色々試してみて、その子の性格に合った方法を探してみましょう♪
2歳、3歳になっても歯磨きを嫌がる
歯みがきを嫌がるのは赤ちゃんだけではありません。
2、3歳になっても歯磨きを嫌がる子はたくさんいます。
大きくなってくると、味の濃いものやチョコレートなどの甘いお菓子などもたくさん食べるようになり、より虫歯になりやすくなるので、少し強引にでも歯みがきはしてあげた方が良いと思います。
どうしても磨かせてくれないときは、一度、歯医者さんに連れて行くのもアリです。
第三者に「しっかり歯みがきしなさい」と言われると素直に言うことを聞いたり、「虫歯になったらここで治療される」と思うと、怖くて歯みがきしたりするかもしれませんよ。
また、定期的に歯科検診を受け、フッ素を塗ってもらうのもオススメです。
フッ素の「安全性」と「丈夫な歯をつくりむし歯を予防する効果」は多くの歯科医が認めていますから、ぜひ試してみましょう。
まとめ
ママにとって「歯みがきは」少し憂鬱な時間かもしれませんが、子どもが美味しくご飯を食べたり、発音良く話したり、素敵な表情で笑うために、「歯みがき」は絶対不可欠です。
歯みがきタイムが、ママにとっても子どもにとっても「わくわくする」時間であって欲しいと願っています。